夏になるとニュースを賑わす熱中症。
でも、そのニュースをよく聞いていると熱中症だけではないことに気がつくはずです。
「熱射病」や「日射病」と言った言葉も飛び出し、
「熱中症と何が違うのか?」
ということを、疑問に思う人も沢山いるでしょう。
この病気をしっかりと区別しておくことで、
早めに対処することが可能になってきます。
夏本番がやって来る前に、
夏を賑わす熱中症以外の病気を一つずつご紹介していきましょう。
熱中症と日射病と熱射病と脱水症状の違いや意味を分かり易く解説
熱中症とは?
熱中症とは、日射病と熱射病をまとめた総称を言います。
熱中症は大きく分けて、
熱失神(日射病)・熱けいれん・熱疲労・熱射病という4つに分類されます。
最高気温が30度を超えると一気に症状が出始める人が多くなります。
- 熱失神(日射病)
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汗を大量にかくことによる脱水と、血圧低下、めまい、失神と言った症状。
熱中症の段階で表わすと軽度にあたります
- 熱けいれん
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水分が汗で不足することにより、
体内のミネラルや塩分が少なくなって筋肉に痛みが出る症状
熱中症の段階で表わすと軽度にあたります。
- 熱疲労
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脱水になっている時の塩分補給が間に合っていない時に起こる脱水症状。
熱中症の段階で表わすと中等度にあたります。
- 熱射病
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体温調節が出来なくなることによる、意識低下などの症状。
熱中症の段階で表わすと重度にあたります。
- 熱中症予防策と対処法
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出来る限り普段から体力を付けておきましょう。
また、食事内容も汗で出てしまう成分として、
ミネラルや塩分、カリウムを積極的に摂取するようにします。もしも熱中症にかかってしまった場合には、
軽度の場合は塩水やスポーツドリンクを飲み、涼しい場所で休憩します。重症化している場合には救急車を呼び、病院での点滴を受けます。
日射病とは?
日射病とは、体の中の水分が不足することにより、
心臓への血液量が減少して脱水症状に近い症状になってしまうことを言います。
主な症状としては、生あくびや全身倦怠感があり、
この症状を放置すると意識障害や頭痛など、重篤な症状へと移行します。
最悪の場合、死亡するケースもあります。
- 日射病の予防策と対処法
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日射病の予防索としては、後頭部や首などにタオルを巻いて直射日光を避けましょう。
もしも熱中症になってしまったら、
脇などを冷たいドリンクや保冷剤で冷やしながら涼しい所へ移動します。そして、スポーツドリンクや塩水を飲むようにしましょう。
熱射病とは?
熱射病とは、高温多湿の中、長期間その場所にいることで体温調節が出来なくなり、
様々な症状が出てくることを言います。
主な症状としては、顔面蒼白で脈が早くなります。
また、目はうつろになり、体温は40度を超える場合もあります。
こちらが呼びかけても反応しない場合もあり、生命の危険が迫っています。
熱中症の重度の症状が熱射病に分類されますが、熱射病と診断される特徴としては、
高熱なのに全く汗をかいておらず、皮膚が乾燥しているということです。
- 熱射病の予防策と対処法
-
熱射病は、とても危険な状態に陥っています。
予防索としては熱中症と同じ予防になるのですが、
もしも熱射病を起こしてしまったなら
一刻も早く救急車を呼んで病院へ連れて行くことが大切です。
脱水症状とは?
脱水症状とは、体液が不足している状態を言います。
私達の体は60%が体液で出来ているのですが、何らかの理由によって
体内の水分・ナトリウムなどの汗の成分が不足すると脱水症状を起こします。
脱水症状な二つに分類されます。それぞれ見ていきましょう。
- 拡張性脱水
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水分とナトリウムが同時に少なくなってしまうこと。
主な症状としては体のだるさ、嘔吐、吐き気などがあります。
- 高張性脱水
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水分だけが不足している状態です。
主に小さな子供や高齢者が発症しやすいのがこちらの高張性脱水です。主な症状としては、発熱や口の渇きがありますが、
重症化すると意識障害を引き起こします。
- 脱水症状の予防策と対処法
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脱水症状は、風邪などを引いた時にも発症することがあります。
そのため、
普段からこまめに汗と似た塩水やスポーツドリンクを摂取していることが予防索です。もしも脱水症状になってしまった場合には、
水分をゆっくりと飲んで10分くらいすると症状は治まります。そもそも
日本人は水分が不足しがちであると言われており、
厚生労働省によると、私達の普段の生活にコップ2杯の水分を足すことで
十分な量を確保出来ると提唱されています。また、加湿器などで脱水を予防するのもいいですね。
しかし、重症化してしまった場合には、すみやかに病院へ行くようにしましょう。
熱中症と日射病と熱射病と脱水症状の違いを再確認
最後に、この上記の4つの病気は何が違うのでしょうか?
簡単にわかりやすく説明していきましょう。
- 熱中症
-
直射日光を浴びていなくても、高温多湿の場所なら起こり得る病気
- 日射病
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強い直射日光を浴びることで発症する病気
- 熱射病
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直射日光を浴びていなくても、高温多湿の場所なら起こり得る病気で、熱中症の重症症状を言う
- 脱水症状
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体の中の水分が不足することによる病気
基本的には、熱中症とは上記にもご紹介した通り、日射病と熱射病の総称になります。
では、熱中症の中からどのように日射病と熱中症に分類されるのかと言うと、
直射日光を浴び続けていることによる脱水を日射病、
熱中症の重症状態(意識障害や痙攣など)を熱射病と言います。
熱中症と熱射病をさらに細かく分けてみると、
熱中症においては、大量の汗や冷や汗が出るのに対して、
熱射病は体がとても熱いのに汗が全くでていないという症状に分けることができます。
脱水症状においては、直射日光に当たっていなくても、
風邪などで体の中の水分と塩分が不足している状態を言います。
この4症状に共通していることは、全て放置すれば死亡する危険性があるということです。
しかし、予防策があるということも共通しています。
基本的には、水分・塩分・気温・湿度に気をつけることをしていれば
あまり重症化することはありません。
まとめ
熱中症・日射病・熱射病・脱水症状は、
同じ様に見えてすべて症状が少しずつ違うという事が分かりました。
得に、熱射病という診断が下っているということは
熱中症の重度に分類しているということを理解しておくと良いですね。
これから本当に暑い夏が始まります。考えただけでもげんなりしてしまいますが、
お家でもグリーンカーテンを作ってみたりしてエコな予防法を心がけたいですね。