夏場になると、いつも元気がなくなるおじいちゃん・・・。
暑くなるにつれてご飯も進まず、そうめんばかりを口にしているけれど、
これってもしかして夏バテなんじゃ・・・?
高齢者の場合、
持病を持っている方なら体調不良が全て夏バテからきているという訳ではないですが、
夏に元気がなくなるということは夏バテの可能性だって十分にありますよね。
高齢者の場合は、夏バテになっても回復が遅めなので、
しっかりと予防することと、
夏バテにかかったら重症化しないことを心がけなければいけません。
ここでは、高齢者の夏バテに関する情報をご紹介いたします。
夜も十分に寝ることが出来なくなる熱帯夜が到来する前に、
しっかりと目を通しておきましょう。
高齢者の夏の体調不良は夏バテかも?こんな症状に注意
まずは、
高齢者が夏バテになるとどのような症状が起こるのかという事をご説明いたします。
高齢者の場合、暑いという自覚が鈍っているため、夏バテにもなりやすいです。
例えば、
高齢者と若者で、同じ温度の部屋から少しずつ温度の高い場所に移っていっても、
若者の場合はすぐに”暑い”と感じることが出来て外に逃げ出しますが、
高齢者の場合は若者が暑いと感た部屋では
暑いと感じずそのまま暑い部屋に平気でいるのです。
つまり、
高齢者が暑いと感じた時にはすでにかなりの高い温度になっているということ。
そのため、夏バテの症状も結構一気に来る場合があるのです。
そのような点も踏まえて症状をチェックしていきましょう。
夏バテ危険度★
- 食欲低下
-
これは、高齢者だけではなく若者でも起こる症状ですが、
高齢者の場合は日中家にいる場合が多いので、
そうめんだけで済ませてしまおうという生活が毎日続く危険性が高いです。すると、あっという間に栄養不足になって夏バテの症状を重症化させてしまいます。
- 倦怠感
-
全身の体がだるくて思うように動くことが出来なくなります。
これは、夜に暑くて眠りが浅くなることで自律神経が乱れ始めている証拠です。
夏バテ危険度★★
- 下痢や便秘、嘔吐
-
夏バテから胃腸の調子を崩している可能性が高いです。
高齢者の場合は、食事の量よりも質を重点的に考えて食べた方がよいです。
- むくみ
-
こちらも高齢者に多く表れる症状です。
むくみがなぜ起こるのかというと、水分不足から脱水症状になりかけているのです。
このことを「かくれ脱水」と呼び、もともと水分の少ない高齢者では発症する確率が高いです。
夏バテ危険度★★★
- 脱水症状
-
この症状は、高齢者に飛び抜けて多い夏バテの症状です。
高齢者はトイレに行く回数も若者よりは多いですが、
その分脱水にもなりやすくなっているのです。クーラーの部屋にいるから大丈夫と思って水分をとらないでいると、
すぐに脱水症状になってしまいます。
- 立ちくらみ、めまい
-
こちらは、クーラーの部屋や外の暑い場所へ行ったりして
体温調節が上手く出来ない時に起こります。「まだまだ元気だから畑に行ってくる!」と元気よく外へ行って、
10分もたたない内にフラフラになってしまっている・・・
ということも高齢者ではよくある話です。
高齢者が夏バテになるなりやすい原因とメカニズム
高齢者はどうして夏バテになりやすいのでしょうか?
その大きな原因は、
高齢者は若者に比べて体の機能が低下しているということがあります。
では、体の機能が低下していることを踏まえて、
夏バテになりやすい原因を見ていきましょう。
高齢者の夏バテは大きく分けて3つ
高齢者の夏バテは、大きく分けて3つに分けることができます。
- 体温を調節する機能が低下している
-
まず、高齢者の場合は血液の流れが若者に比べると悪いということ。
また、汗をかきにくいということがあげられます。高齢者の方で体力をつけようと筋トレに励むことは難しく、
また、ウォーキングを長時間することも難しく、大体家の中にいる時間が長いです。そのため、動かない分血液の流れも悪いし、汗もかきにくいのです。
つまり、皮膚の刺激や感覚も鈍っているので
温度が高くなっているということも体感しにくくなっているのです。そのため、気がついた時には
かなりの悪い状態から夏バテをスタートさせてしまうということもよくあります。
- 体内の水分が少ない
-
私達の体内の水分量は、子供の時には70%あるのに対して
高齢者は50%くらいしか水分を体内にため込んでいません。そのため、
高齢者の場合は進んで水分を摂るように心がけなければいけないのですが、
高齢者は喉の渇きという感覚も鈍っているため、
あまり自分から水分を摂ろうとしません。つまり、
ただでさえ水分不足なのに、夏になると更に水分不足の状態になって
脱水症状の可能性が高くなるということなのです。
- 栄養不足
-
高齢者の場合は噛む力が劣り始めますので、
どうしても柔らかいもので消化の良い物を選びたがります。そうすると自然と食べるものが少なくなってしまい、
栄養が偏ってしまうのです。
周りの人がフォローすることが大切
上記の3点から考えると、高齢者が夏バテになりやすい原因としてあげられるのは、
体の機能が劣り始めるからということがよく分かります。
しかし、体の機能の衰えは誰にも止めることが出来ませんよね。
つまり、
周囲の人達が率先して高齢者の夏バテを
注意深く見てあげる必要があるということなのです。
高齢者の夏バテの対処法
もしも高齢者が夏バテになってしまったら、
どのような対処をすればよいでしょうか?
高齢者の場合、特に持病を抱えている人は体調にムラが極端にある場合があります。
もしも体調があまり良くない時に夏バテを発症してしまったら、
症状はさらに悪化してしまいます。
そのため、こまめに様子をみるということが大切になってくるのですが、
まずは自分達で出来る対処法を見ていきましょう。
- 危険度★の対処法
-
- 食欲低下
- 倦怠感
-
先程もご説明した通り、高齢者の場合は噛む力が少ないので
食欲低下で栄養不足になっていてもなかなか回復することができません。では、危険度★の時にはどうしてあげたら良いのかと言いますと、
まずは水分をこまめに飲ませてあげるようにしましょう。夏バテで水分補給にぴったりの飲み物と言えば、
「ポカリスエット」が挙げられますが、高齢者に飲ませるには注意が必要です。これはなぜかと言いますと、
ポカリスエットの中には500mlの中に糖分が33.5g入っているのです。そのため、高齢者に多い糖尿病を患っている人が
ポカリスエットを毎日飲むことはとても危険なことなのです。また、糖尿病予備群の人達にももちろん危ない飲み物になります。
もしも、持病があってしっかりと栄養のある水分補給をしたい時には
「OS1(オーエスワン)」というドリンクを飲むようにしましょう。大塚製薬から出ているこちらのドリンクなら、
糖分がかなり抑えてあるので糖尿病の方でも十分飲むことができます。味は確かに甘みがほとんどありませんが、
水分補給の為なら頑張って飲む価値のあるドリンクです。
- 危険度★★の対処法
-
- 下痢や便秘、嘔吐
- むくみ
-
このような症状が出てしまった時には、
出来るだけ続けて点滴に通わせてあげましょう。下痢や嘔吐、またかくれ脱水からきているむくみでは、
かなりの水分が体から抜け落ちてしまっています。そのため、
しっかりと体調がよくなるまで病院で点滴をしてもらうことが回復する近道です。お家では、夏バテだから
ビタミンB1が豊富に含まれているものを食べさせてあげようと思いがちですが、
ビタミンB1の代表格、豚肉やウナギは消化があまり良くありません。そのため、胃腸を弱らせている高齢者に食べさせてあげることは
逆に負担がかかりますので避けるようにしましょう。高齢者の場合は、そうめんなら食べられるという場合がとても多いですが、
そのときにはそうめんと一緒に薬味をしっかり入れて
栄養価をアップさせてあげましょう。高齢者の大好きな梅干しは夏バテには最適ですし、ネギは風邪予防にもなります。
少し元気になってきたら、唐辛子や胡椒など、
食欲を増進させてくれる薬味も入れて、他の食事も与えましょう。
- 危険度★★★の対処法
-
- 脱水症状
- 立ちくらみ、めまい
-
高齢者が脱水症状を起こしていたり、たちくらみで動けなくなっている時には、
出来るだけ涼しい場所へ移動させて様子を見ましょう。このような症状の場合には、嘔吐を伴う時が多いです。
何か吐瀉物を受けることが出来るものを用意してあげましょう。少し症状が治まったら、急いで病院へ連れていきます。
もしもこの時に立つことが出来ないようでしたら、救急車を呼びましょう。その時には、意識がはっきしりしているのかということを救急隊に伝えましょう。
まとめ
高齢者の夏バテは、様々な機能が低下しているため、
どうしても重症化しやすいということが分かりました。
体の機能が低下することに関しては、私達ではどうすることもできませんので、
高齢者の夏バテ予防で一番大切なことは周りの人がこまめに様子をチェックすることです。
最低でも1時間に1回は覗いてあげましょう。