いつもは8月中旬になると「お盆」という言葉を聞くのに、
時々「初盆」という言葉を聞く時があります。
地方によって読み方は様々で、
初盆のことを「はつぼん」と言ったり「ういぼん」と呼んだり、
初盆ではなく「新盆」(しんぼん、にいぼん、あらぼん)と言ったりもしますが、
お盆と初盆とは、何が違うのでしょうか?そもそも初盆とは一体何なのでしょうか?
初盆は、お盆の中でもとても大切にされている特別な行事です。
いつものお盆とは違ったことをする行事が多くありますので、
しっかりと頭に入れて恥ずかしくないように知っておきましょう。
初盆とは何でいつなのか?
まずは、初盆という行事が一体何なのかということについてご紹介いたします。
初盆とは、故人が亡くなってから四十九日を過ぎて初めて迎えるお盆のことを言います。
お盆は仏教の中でとても大切な行事ですが、
その中でも初盆というのは故人の初めてのお盆ということで特別なお盆とされています。
昔は、初盆というと親族以外にも多くの血縁者や
ご縁のあった人達が大勢集まって法要を営んでいたのですが、
今は家族葬が広まった影響から
初盆も親族のみでこじんまりと行うことが増えてきました。
お盆の時期に四十九日過ぎていない場合の初盆は?
お盆の時期に必ず四十九日過ぎているということはありませんよね。
では、もしも故人が亡くなってから
四十九日過ぎていない場合の初盆はいつ行うのかと言いますと、
翌年のお盆を初盆として行います。
初盆とは何をするものなのか?
では、初盆というものが何かということが理解出来たので、
次は初盆の行い方について見ていきましょう。
初盆は基本的には法事と同じ様に喪服で僧侶にお経を唱えてもらいます。
ここでは、8月に初盆を行う時の流れについれご紹介します。
- 6月初旬~中旬
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初盆を行う場所を決めましょう。
僧侶にお経をお願いすることになるので、
僧侶と連絡を取って日にちを決めましょう。
- 6月下旬
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出席いただきたい人達に初盆の案内を連絡します。
親族だけの場合には電話で連絡をすることが多いですが、
大人数の場合には案内状を送って出欠席を確認します。この時には
返信用のハガキも忘れずに同封しましょう。
- 7月中旬
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法要後の食事の手配を行います。
自宅で食事を振る舞う場合には予約はいりませんが、
レストランや料亭などへ行く場合には早めの予約が大切です。
- 7月下旬
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初盆のお返しとして引き物を用意します。
ご焼香に来ていただいた人や提灯をいただいた人、
御供などをいただいた人に対しては、「志」として引き出物を用意します。参列者全員の用意をする必要があり、
金額は大体2,000~5,000円くらいのものを用意します。
- 8月12日頃
-
盆飾りの用意をしましょう。
それぞれの宗派やしきたりに合わせて準備をしていきます。
- 8月13日~15日
-
僧侶にお経を唱えていただき、会食を行います。
最後に引き出物を用意して終了です。もしも迎え火の風習がある場合には、
13日の日中にお墓参りをして提灯に火をともします。そして15日の夕方には送り火を焚くようにします。
ご先祖様は、15日の午前中までは自宅にいるとされていますので、
くれぐれも午前中に送り火を焚くことはしないように気をつけましょう。
初盆での準備と用意するものは?
初盆では、普通のお盆とは違う準備が必要です。
地方によって風習が異なるため、
絶対にこれを準備しなければいけないというものではありませんが、
ここではそんな中でも代表的な初盆で準備するものについてご紹介していきます。
- 精霊棚
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盆棚とも言われています。
お盆中に故人をお迎えするにあたって位牌を安置しておくための棚です。設置方法としては、仏壇の前に置いて上に敷物を乗せ、
その年に採れた作物や精霊馬を並べます。浄土真宗の場合は精霊棚は飾らないとされています。
しかし、今の時代はマンションなどに住んでいる場合も多くありますので、
そのような時には小さな机の上に並べたり、
ホームセンターなどで帰るちゃぶ台のようなもので代用しても大丈夫です。
- 精霊馬
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こちらは、精霊棚に置く馬と牛のことを言います。
麻柄や苧殻などできゅうりに足をつけたもので馬や牛を表現します。
今の時代は割り箸で足を付けることが多くなりました割り箸でも問題ありません。なぜ馬や牛などを作るのかと言いますと、故人があの世から帰って来る時には、
一刻も早く帰ってこれるように馬に乗り、帰っていく時には
ゆっくりと帰れるように牛に乗ってくださいという意味を込めて作られるのです。
- 迎え火・送り火
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迎え火とは、
故人が自分の戻る所に迷わずに帰ってこれるように目印として置くものです。迎え火を用意する時は13日の夕方に行うようにします。
しかし、もしも13日に行うことが出来ない場合は12日に準備しても問題ありません。送り火とは、故人をあの世へ送り出す時に故人が道を迷わない為に設置するものです。
基本的には16日に夕方に送り火を準備することになります。火については、ろうそくの上に適当な長さに切ったおがらを焚くようにします。
しかし、住宅事情によっては火を使うと危険な時もありますよね。そのような場合には無理に行わなくても良いです。
- 盆提灯
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こちらも故人があの世からこの世に帰って来る時に
道を間違わないようにするための目印になるものです。盆提灯には、白提灯と絵の入った提灯がありますが、
初盆の時には白提灯を使うようにします。翌年からのお盆では絵の入った提灯でかまいません。
場所は玄関先や軒先で提灯を飾るようにしますが、
住宅事情によって火を使うことが危険な場合には、
LEDを使った提灯を使うことをおすすめします。白提灯の場合は、親族から送られることが多いですが、
親族が白提灯ばかりを送ると白提灯だらけになってしまいますので、
親族の多い遺族の場合には、「御提灯代」として現金を渡すことも多いです。白提灯は初盆が過ぎたら送り火で燃やしてしまうか、
菩堤寺へ行って供養してもらうようにしましょう。
まとめ
初盆は、普通のお盆とは違い、
故人が亡くなってから初めて迎えるお盆のことを言いました。
初めて迎えるお盆ということで、いつも以上にしっかりと法要してあげる地域が多く、
初盆を迎えるに当たって用意するものも色々あるということが分かりました。
それぞれの地域や宗派によって初盆の行い方は違いますが、
故人を思う気持ちは同じです。
心を込めて手を合わせたいものですね。